Dear. チハヤ




初めてチハヤに手紙を書きました。


ハーバルさんに頼んで、この日に届くようにしてもらいました。

驚いたでしょ?



なんだか、手紙って照れくさいね。

普段は口で言ってることを文字に書いていくってことは、あらためて自分の気持ちを確かめているみたい。

変な字になってないかな、なんて気にしながら書いてます。


チハヤが読んでいる隣に、もしもわたしがいたら、絶対知らんぷりしてどこか違うところを見ているんだろうな。

恥ずかしいから、私がいる前で読み上げたりなんてしないでね。



3年後のチハヤは、どんな風なのかな?って想像したらおもしろいんだ。

キルシュ亭で、ユバさんにお師匠さんをしてもらいながら、

お鍋とかフライパンとか、麺棒とか、色々な料理道具に囲まれて、

色とりどりの食料品の中から、ひとつひとつ手に取って、料理を作り上げていく姿が一番に思いつきます。


時にはウェイターもして、お客さんに、とびっきりのチハヤだけのスマイルをみせて、

自分が作った料理をお腹が空いたお客さんの前に広げて、お客さんの顔を見て、

その顔が嬉しそうに光るのを、チハヤはにこにこしながら見つめているんだろうな。




あ、この手紙を読み終わったら、私にケーキを焼いてほしいな。

今日が何の日か知ってるでしょ?

二人でお祝いしようね。



あ、もしかしたら、二人じゃないかもしれないね。そうだったらいいな、って思いました。




From. アカリ    


X7 夏の月28日







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